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「ラチとらいおん」

「ラチとらいおん」
  マレーク・ベロニカ 文・絵        とくながやすもと 訳        福音館書店

 1961年にハンガリーで発行された、マレーク・ベロニカさんによる絵本。日本でも1965年に発売され3世代に渡って愛されています。世界一弱虫な男の子ラチと小さな強いらいおんの物語をご紹介します。

マレーク・ベロニカさんはハンガリーのブダペストに生まれ、国立人形劇場のスタッフとして働いた後に絵本作家になりました。ハンガリーは日本人にとってあまり馴染みのない国ですがヨーロッパのほぼ中央に位置する内陸国です。戦後ソ連の占領下に置かれ社会主義の支配下にありました。西側のオーストリアとの国境には鉄条網が設けられ西欧諸国の文化に自由に触れる機会も少なかったそうです。そのような環境の中で、ソ連や東欧諸国の文化の影響を受け独自の文化を発展させていきました。ハンガリーだけでなくチェコやポーランドなどの絵本には西欧とは異なる独特な雰囲気が感じられ、日本にも多くのファンがいらっしゃいます。
ラチとらいおんの絵も、ほのぼのとした中に洗練された線と色使いを感じます。じっくりとご覧になってみてください。犬も怖い、暗い部屋も怖い、友達も怖いという弱虫なラチ。らいおんに出会ってどんな風に成長するのでしょうか。

不思議で心温まる物語、ぜひお楽しみください。

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