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読み聞かせをすると勝手にページをめくってしまう!止めないほうがいい?

絵本を読み聞かせるとき、お子さまが勝手にページをめくってしまう…なんてことはありませんか?
しっかりと物語の順を追って読み聞かせしてあげたいのに、一人でページに手をかけてどんどん進んでしまったり、挙句の果てにはページを破ってしまったり……。
そんな場面に遭遇すると、ついつい「ちゃんと聞いてくれないならもう読まないよ!」なんて叫びたくなってしまいますよね。絵本が嫌いなのかとか、集中力がないのかとか、そういった面でも心配になってしまうかもしれません。

ですが、読み聞かせの主役はあくまでお子さまです。お子さまの好きな読み方に合わせてあげることで、ワクワクした気持ちをもっと引き出すことができます。
今回は、絵本のページを勝手にめくってしまうときのお子さまとの接し方について、お伝えしていきます!

子どもの好奇心を大事にする
まず大事になってくるのが、「子どもの好奇心に寄り添って、意欲の芽を育ててあげる」ということです。
ページを勝手に進めてしまうということは、少なくともその絵本を嫌っているわけではありません。むしろ、どんどん先が気になって、ワクワクをおさえきれないのかもしれません。
そんなときに、親がその勢いを止めてしまって、好奇心をおさえつけてしまうのはもったいないです。

お子さまのページのめくり方をよく観察してみてください。
今まで読んだことのある絵本なのであれば、お気に入りのページに早くたどり着きたいのかもしれません。もしくは、物語の内容というよりは、絵がどんどん変わっていくことに楽しみを見出している可能性もあります。
お子さまがどんなことに興味を持っているのか、まずはじっくり観察してみましょう。

お気に入りのページがあるとわかったのなら、あえてそのページを開いて、「何の絵かな?」などとお話ししてあげるのもいいですね。自分のお気に入りをわかってもらえたら、お子さまもきっと嬉しいと思います。
絵が変わっていくのを楽しんでいる様子なら、「絵がどんどん変わっていくね」などと、言葉にして伝えてあげてみてください。それだけでも、コミュニケーションの幅が広がっていきますよ。

きちんと順番に読み聞かせしていかないと……と思われるかもしれませんが、お子さまのペースに合わせてあげることで、お子さまの好奇心に寄り添ってあげることができます。
好奇心を優先すれば、自然と意欲のある心が育っていくのです。

読み聞かせを苦痛なものと思わせない
反対に、親のペースを優先して読み聞かせてしまうと、読み聞かせそのものを嫌ってしまう場合があります。
集中力がなさそうだから……と思って、ムリに座らせて読み続けるのもNGです。お子さまに「読み聞かせは苦痛なもの」とインプットしてしまうことになるため、むしろ逆効果になってしまいます。
あくまで、読み聞かせはお子さまのペースに合わせてあげましょう。

もし、途中で読みたくなくなったのであれば、それはそれでOKです。どんどんページをめくっていたかと思えば、急にバタンと閉じて強制終了!なんてこともよくあるかもしれませんね(笑)
しかしそこで、無理やり読み聞かせを再開するのは得策ではありません。
お子さまにとってはバタンと閉じる大人の仕草をマネしているだけなのかもしれませんし、閉じてからでもさっきまでのストーリーを話しかけてあげることもできます。

読み聞かせは、ムリに全部読む必要はありません。動画と違って、お子さま自身のペース、お子さま自身の切り口で楽しめるのも絵本の魅力です。
絵本を読み切ることを目的とせず、コミュニケーションのツールだと考えて、親子で気楽に楽しんでみてください!

ページを勝手にめくってしまう1~2才のお子さまにオススメの絵本
それでは最後に、ページを勝手にめくってしまうことが多いお子さまに、私たちがもっともオススメしたい1冊を紹介します!

●『もこもこもこ』 谷川俊太郎  作、元永定正 絵、文研出版


『もこもこもこ』は、おなじみ谷川俊太郎さんの人気作品です。
こちらの絵本を手にされたら、以下の3つのポイントに注目してみてください。

①元永定正さんの絵
神秘的で現実離れした雰囲気に引き込まれます。抽象的な絵ですが、どこか生き物を感じさせる特徴があります。

②谷川俊太郎さんのオノマトペ
谷川さんのオノマトペはとても短く、端的に書かれています。小さな子どもにも身近で分かりやすいオノマトペです。

③読み方によって変化する多彩な印象
読み方を変えるだけでいろいろな印象で楽しめるのも特徴です。大人の目線では気づかない、ユニークな読み方が見つかるかもしれません。

日常でもよく使われているオノマトペと、独特な印象を醸し出すあらゆる色彩とが相まって、魅力的なシーンを作り上げています。そんな繊細な宇宙観に、大人も子どもも思わずグッと吸い込まれてしまう、素敵な1冊です。
どんどんページをめくるのが楽しいですし、めくっている途中でパタンと閉じることさえ楽しい。そして、何度も聞いているうちに耳に残る言葉を、今度はマネっこしてさらに楽しむことができます。
ぜひ、お試しください!

まとめ
読み聞かせ中にお子さまが勝手にページをめくってしまったらどうするか……今回はそんなお悩みについて解説させていただきました。
絵本の読み聞かせは、必ずしも最初から最後まで順番にストーリーを追っていけばいいわけではありません。お子さまが途中でページを進めたいなら、その好奇心を一番に考えて、ぜひページをめぐらせてあげてください。
また、途中で絵本を閉じてしまうことがあっても、ムリに再開させる必要はありません。
お子さまのペースに合わせていろいろな読み方を楽しみながら、コミュニケーションを取ってみてくださいね!

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